「どんな薬も、運動療法や食事療法を行うことが前提になっている」
糖尿病の薬の添付文書(薬局で買う薬に付いている使用上の注意と同じ様なものです)を読んでみたことはありますか?
そこにはハッキリと、「運動療法や食事療法を行った上で改善が見られない患者に投与すること。」また「併せて運動療法や食事療法を行うこと」と書いてあります。
実は、薬は「運動療法と食事療法」を行った上で飲む事を前提に作られているのです。
この運動療法ですが、最初の方で「インスリン抵抗性の改善」と「基礎代謝の向上」効果が有ることをお伝えしました。
この効果についてもう少し詳しく見ていこうと思います。
それには細胞について学ぶ必要が有ります。少しお付き合い下さい。
細胞はインスリンが細胞の扉を開くことでブドウ糖を取り込むことが出来るのですが、この扉の役割を果たしているのは実は「Glut」(グルコーストランスポーターの略したもの)と呼ばれるものです。日本語では糖輸送体と訳されています。名前の通り、糖を細胞内に運ぶ役割を持っています。
先ほどインスリンは鍵で、インスリン受容体は鍵穴だと書きましたが、Glutはドアそのものです。インスリンがどれだけ鍵穴にくっつこうとも、肝心のドアが無ければブドウ糖は細胞内に入ることは出来ません。
運動をすると、このドアであるGlutが増えることが知られています。
Glutが増えることで、血糖値が上がったときに的確に反応する事が可能になるのです。
運動をすることでしか得られない効果もあります。それはインスリンに関係なくブドウ糖を取り込む効果です。
通常はインスリンが受容体にくっついてGlutが細胞へブドウ糖を取り込むのですが、筋肉はインスリンの司令を待たずにブドウ糖を取り込むことが出来ます。
ただし、激しい運動をすればよいのかというとそうではありません。
息が弾み始める程度の(例えばジョギングや速歩)運動が最も効果的です。
運動時間の目安は20分以上行うのが効果的ですが、時間がとれない方は無理せず、出来る運動を行う方が良いでしょう。無理をすると続かないことが多いので、それではあまり効果が期待できないことになります。
また、出来れば曜日を決めて運動をするとより効果的です。こうすることで間隔が長くなったり短くなったりしづらくなりますし、運動をすることで上がった神経の反応速度が落ちづらくなります。折角からだが動くようになってきても間隔を開けすぎると一からになってしまいます。
最低週に一回決まった日に運動をすれば、徐々にですが運動の効果が蓄積していくこととなります。




















