糖尿病を抱える方々は、血糖値が高いだけではなく、コレステロールのバランスも悪く、血液や血管に負担を掛けると言うことをお伝えしてきました。
糖尿病の方にとっては血糖値をコントロールすることが最も大事な事となるのですが、糖尿病における血液や血管の負担、または合併症は静かに進行しています。
糖尿病だと判断されて血糖値をコントロールしているその間にも血液や血管には負担がかかり続けているのです。
そのように考えると、血糖値のコントロールと並行して血液や血管のケアをすることが大事なのではないでしょうか?
高血糖によって起こる動脈硬化、合併症などの大きなの要因のひとつは高脂血症です。
高脂血症と聞いて皆さんが思い浮かべられるのはコレステロールだと思います。
このコレステロールとはいったい何なのでしょうか?
コレステロールは、人が生きるには欠かせないもので、細胞膜が正常に活動するために必須の物質です。コレステロールが足りないと人間は生きてはいけないと言う事になります。
皆さんがよく聞いたことのあるコレステロールは悪玉コレステロール、善玉コレステロールの二つではないかと思うのですが、これはコレステロールの性質に注目して付けられた名前ではありません。
肝臓から必要な部分へコレステロールを運ぶ役割を果たしているものをLDL(悪玉)コレステロールと言い、余分なコレステロールを肝臓へ戻してやるのがHDL(善玉)コレステロールの役割なのです。
最近の研究では特定のコレステロールが問題なのではなくバランスを崩していることが問題なのだと言うことが明らかになっています。
そしてLDLコレステロールとHDLコレステロールの比率は1:2.5〜3程度が最も理想的だと考えられています。
その比率を保つために活躍しているのがLPL(リポ蛋白リパーゼ)で、このLPLには余ったコレステロールを分解する働きがあります。これによって血液中のコレステロールのバランスが整うのです。
では、血液中のコレステロールを減らすにはどうしたらいいのでしょう?
まずひとつにはコレステロールの消費量を上げてやれば良いと考えられます。
コレステロールは細胞膜を正常に活動させる為に使われていますから、細胞の活動を増やしてやればいいわけです。
これには運動が最も良い対処法になります。
食事によって減らすことも考えられます。
食事によって吸収されるコレステロールの量は必要量の1/5程度と低いものです。
しかし食事以外でもコレステロールは腸から吸収されます。
そこでもう一つ気をつけたいのは食物繊維を摂る方法です。
肝臓で再生に回されなかったコレステロールは胆汁に混ぜられて一度腸へ排出されます。ここで一部は排泄され、ほとんどのコレステロールは再吸収されて肝臓から体内へ戻ります。この時に腸に食物繊維が有るとコレステロールを絡めてしまいます。
食物繊維は吸収されることなく排泄されるので、同時にコレステロールも排出してしまうのです。
ここまでは普段の生活でバランスを取る方法です。
出来れば最も推奨したい方法です。
薬を使った方法もあります。これはコレステロールを作るのを邪魔すればよいと言う考え方から来ています。
肝臓に運び込まれた余ったコレステロールはHMG-CoA還元酵素と呼ばれる酵素の働きで再生されるのですが、この働きを邪魔してしまうことによってコレステロールが再生されることを防ぎます。
肝臓の働きを邪魔する薬ですから、当然のように肝臓に負担がかかるのが難点です。
もう一つの方法はLPLを元気にする(活性が高いと言う)ことで余分なコレステロールを血液中から減らす方法です。
健康な人ではインスリンがLPLの活性を高くするのですが、糖尿病だからといってコレステロール治療にインスリンを打つのは低血糖の危険がつきまといますので問題があります。
ではLPLの活性を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
お薬でも可能ではありますが常に副作用の危険が伴います。
危険を伴わない方法は何か無いのでしょうか?




















